飲食業の税務顧問を受けるときの注意点<1920>
<セミナー・コンサルティング情報>
久しぶりの飲食業
税理士が税務顧問を受ける場合、業種によって受けるか受けないか決める方もいらっしゃるかと思います。
業種特化している方もいらっしゃいますが、ご依頼があった会社の顧問を幅広く受けるのが多いんではないでしょうか。
私も後者であって、お声がかかれば、顧問は受けることが多いです。
とはいえ、自分の中でも得意な分野、不得意な分野、あるいは未経験の分野はあります。
そのなかで、飲食業ついては、勤務時代はありましたが、独立してからはこれまでやってきませんでした。
特に苦手とか毛嫌いとかしているわけではなく、ただ単にご依頼がなかっただけであります。
ただ、ひょんなことから飲食業の顧問を引き受けることになり、そこで気づいたことがいくつかあったので、備忘録として残しておきます。
飲食業の税務顧問を受けるときの注意点
クラウド会計 or not
まず、会計ソフトは何を使っているか?
クラウド会計が今の流れではありますが。
ただ、クラウドが、そのお客さまやその事業に合っているのか?
日々、クラウド会計を触っていますけれども、会計が分からずに数字が出来上がってしまうというところが、クラウド会計の厳しいところかなと思います。
お客さまが経理を理解しなくても、最低限の試算表ができるぐらいになればいいんです。
けれども、そこまで引き上げるのは、クラウド会計だと難易度が高いのは、今回感じました。
特に飲食業は普通の業種に比べると取引1回あたりの単価が低いので、仕訳の数が多くなります。
そうなってくると業務量が多いので、お客さま側で把握できていない。
税理士側で把握するのに時間がかかる。
税理士側からすると、慣れもあるんでしょうけれども、飲食業に関しては、通常の会計ソフトの方が合っていると感じました。
クラウド会計だと毎日データ連携は自動でしてくれます。
けれども、内容を確認しないで安易に登録ボタンを押しがちなので、あとで修正する機会が格段に増えます。
- 摘要欄に詳細を記載する
- 相手科目が適正な科目か判断する
といった基本的なことが抜け落ちやすい。
その点、従来型の会計ソフトだと、わからなければそこで止まって質問してくれます。
税理士側からすると互いに面倒ではあるけれど、あとあと修正することを考えたらやっぱりありがたいかなと感じるわけです。
ある程度、経理や会計を分かっている人がクラウド会計を使うのはいいけれども、そうでない方、経理を全然わかってない方っていうのは、普通の会計ソフトで学びながらやっていただくっていうのがいいんじゃないかな、というのは今回思いました。
クレカ複数
これは飲食業でなくても起こるんでしょうけれども、特に規模が大きくなってきて、社長や他の社員、現場の店長にクレジットカードが2つ、3つ、4つとなってくると、未払金勘定を合わせるのがやっぱり大変ですよね。
お客さま側で合わせるっていうのは、ほぼないでしょうから、社長が仕事の傍らこの未払金を合わせられるっていうのは、なかなか難しいと思います。
となると、経理担当を入れてくれるかどうか、経理担当がいれば、常に経理をやっているので、未払金を合わせるくらいやってくれるんでしょうけれども、独立当初から経理を雇う方、飲食業に限っても少ないでしょう。
となると、クラウド会計で連携したものの、結局合わせるのは税理士側ということになります。
クレジットカードが複数になりやすい飲食業っていうのは、受ける時に注意が必要かなと感じます。
最初にクレジットカードの枚数は聞いておいて、それで顧問料のアップをするなりというところは、決めておいた方がいいんじゃないかなというふうに思います。
複数事業
飲食業1本ならいいんですけれども、他にも事業を営んでいる方、いろいろ複数事業を展開するとなると、売掛金を合わせるのが大変です。
これを会社側の経理担当がやってくれるならいいですけれど、税理士側でやるとなると、これも結構手間になってきます。
事業が複数になると、顧問料アップする加算項目として設定しておいた方がいいのではないでしょうか。
私もいろいろと気づいたことがあったので、事業が複数になると、加算項目としていただく料金体系に変えました。
社員10名超
社員やアルバイトの数がそれなりになってくると、業務量が増えるので、税理士側もそれなりに手間はかかってくるようになります。
なので、社員の数っていうのもある程度見ておいた方がいいでしょう。
お客さまは社長1人から始まるけれども、その後どれだけになっていくのか?
5名を超えたら、10名を超えたら、顧問料をアップさせていただけるのか?
その辺のところも事前に決めといた方がいいでしょう。
あと、給与計算は会社でやるのか、社労士に頼むのか、あるいは税理士がやるのかなども。
税理士側で給与計算をやって、報酬をいただけるからといって、それだけで安心できるかと言ったら、そうでもないですね。
経理担当なし
これが一番大きな要素になるかと思うんですけれども、経理担当がいるかどうか。
独立当初、社長1人でやられる方が多いと思うので、経理担当はいないとなると、税理士がある程度整備していかなければいけないということは分かるかと思います。
ただ、税理士側でもできる範囲というのは限られてきます。
記帳代行をやって料金をいただけるから、それで済むのかというのもね、やっぱりその中に経理が分かる人がいないと、不明な取引の元のネタを税理士側がイチから探しに行かなければならないと。
取引1つ1つについて、社長が気づける方ならいいですけれども、こちらが蓋を開けて全部1つ見ていって、リスクがあるところに対して、ちゃんと原始資料を見に行く、そういう作業が増えてきます。
業務が増え続ける一方、格安の税理士さんと比較されて、そこに合わせる形で顧問料を下げるというのは、やめたほうがいいでしょう。
仕訳月500超
月の仕訳件数が100件、200件ぐらいまでなら、社長自身で入力できます。
200件を超えて現場も持っている社長となると、なかなか難しいので、税理士側で引き受けてあげた方がいいかなと思うんです。
税理士側でも、200件から400件ぐらいまでならやれないことはないんですけど、500件超えてくるとなると、税理士側でも受けていいものなのか?
入力で別途料金をもらえるとね、税理士本人じゃなくて、パートさんや従業員さんにやっていただくとか、あるいは外注で振るというやり方もあります。
けれども、ひとりでやってる税理士が、入力も受けるとなると厳しいでしょう。
好きでやる人はいいんですけれども、500件を超えてくるとなると、会社経理を入れてもらうっていうのが一番いいのかなというふうには感じます。
会社の入力を引き受けるという体制を取っている税理士さんであれば、別に会社経理を入れてもらわなくても、仕訳が500件超えても問題ないでしょう。
税理士業界、人を雇うのも大変な時代になってきているので、会社の方で経理担当の方を入れてもらって、現場を持つ社長と税理士との橋渡しをしてもらうという方が1人いらっしゃった方が、会社運営はスムーズに運ぶと存じます。
税理士はどこまで関与する?
今日は税理士が飲食業の税務顧問を受ける時の注意点についてお伝えしました。
売上の増加・会社が大きくなるペースに経理の体制が追いついてない会社について、税理士1人で対応するというのは難しいものがあります。
こういうところは組織で対応していかないといけません。
経理を外注に振るという手がありますけど。
そうなると、会社内部に経理のノウハウが資産として残りません。
経理担当をどこかのタイミングで雇ってもらうのが、会社にとっても税理士側にとっても一番良いいんじゃないかなというふうには感じています。
税理士がどこまで関与したほうがいいのか?
日々、考えています。
<You Tubeチャンネル「独立・開業コンサルタント 税理士 ユウジロウ」>
毎週金曜日、You Tubeで動画配信しています。
よろしければ、チャンネル登録お願いいたします。
こちらから
<サービスメニュー>






