丸投げでなく、「自分で経理」を勧める理由<No 1028>
<セミナー・コンサルティング情報>
)2020年6月分 領収書綴
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「自分で経理」を勧める理由
独立以来、いただいた資料をこちらで入力することは減っています。
可能であればお客様に自分で経理していただくことをお勧めしています。
というのも、自分で経理をしなければお金の動きが実感できないからです。
特に、個人であれば確定申告は損益計算書を提出すれば済みます。
貸借対照表の提出は義務ではありません。
- 売上・仕入・経費・利益の額がわかっても、資産や負債の動きはわからない
- 利益がそのままお金で残っているわけではない
事業を始めたら、ざっくり計算して損益だけで申告するのも良いですが、できれば、自分で経理をやってお金の動きを実感してもらいたいと思っています。
「丸投げ」から「クラウド会計」まで
丸投げ
税理士に請求書や領収書を渡して申告してもらう。
いわゆる、丸投げですが、メリットはあまりありません。
あるとすれば、自分で何もしなくていいので、その分時間が生まれます。
確定申告期に頭を抱えることなく、その時間を本業に費やすことができます。
デメリットは、事業に関する数字を理解できないこと。
なんとなく売上があって、そこから経費が出ていって、なんとなくお金がある。
いわゆるドンブリ経営です。
ドンブリ経営だと、仮に手元にお金があっても、それが本業による儲けなのか、自身の蓄えなのか、借入金の残金なのかわかりません。
おおよその数字を理解していても、細かい数字までは把握できない。
なんとなく数字ができあがっても、その数字ができた理由を説明することができません。
紙の帳面をつける
紙の帳面であれ、自分で帳面をつければ、数字の根拠がわかるようになります。
つける帳面は、売上・仕入・経費といった損益計算書を書くのに必要な帳面だけか。
それとも、現金や預金まできっちり付けるのかで経理の精度が大きく変わってきます。
売上・仕入・経費をつけてわかるのは利益だけです。
現金や預金を付けてなければ、お金の流れが見えてきません。
お金の出どころがわからなければ、事業とプライベートのお金が混ざることはよくあります。
仮に、事業用のお金がショートした時に、プライベートからお金を補充していても、現金帳や預金帳をつけていなければわかりません。
採算が合わない事業でも、手元に潤沢なお金があるがゆえに事業を続けてしまうこともあり得ます。
Excelで帳面をつける
紙の帳面から一歩進んで、Excelで帳面をつけるのも良いでしょう。
紙の帳面プラスアルファとして、
- 自動で計算してくれる
- 集計を間違わない
- データでやり取りできる
- ネットで送れる
といったメリットがあります。
会計ソフトで記帳する(従来型)
紙で記帳する場合、現金取引は現金帳へ、売上は売上帳へ、仕入は仕入帳といった具合にそれぞれの帳面へ記帳しなければなりません。
しかし、会計ソフトであれば一つの取引を仕訳にすると、該当する帳面へ自動で数字が反映されます。
簿記に慣れていなければ、仕訳でなく現金帳や預金帳の出納帳形式で入力することもできます。
会計ソフトで記帳すると、紙の帳面のように物理的にかさばることがありません。
会計ソフトは、据え置き型のデスクトップパソコンだけでなく、ノートパソコンでも利用できます。
自社や自宅だけでなく、持ち運んで利用できるので、私の事務所にお持ちになられる方も結構いらっしゃいます。
また、帳面としての機能だけではありません。
記帳ができれば、その数字を使って損益計算書を自動で作成できますし、貸借対照表もできます。
(ただし、貸借対照表を提出するには、それなりの精度が求められます)
それぞれの取引について手で入力する必要がありますが、ネットバンクやクレジットカードなどネット上にデータがあれば取り込むことが可能です。
ネット上のデータが多くあると、この後説明するクラウド会計がより効果を発揮します。
会計ソフトで記帳する(クラウド会計)
クラウド会計は、ネット上にあるデータを効率よく集めてくれる会計ソフトです。
「効率よく」と言ったのは、従来型のソフトでもネットバンクやクレジットのデータを取り込むことができるのですが、その工程には手間がかかります。
その点、クラウド会計であれば、最小限の動作で、
- ネットバンク
- クレジットカード
- 交通系 ICカード
- Amazon
の利用明細をネットから取り込んで、仕訳に置き換えることができます。
逆にいうと、ネット上に自社のデータがなければ、クラウド会計の効果は発揮できません。
クラウド会計は、自分で入力することを本来の目的としていないので、手入力には向いていないからです。
初期設定の手間と慣れるまでに時間を要しますが、歯車が回りだすとかなり楽になります。
AIが取引の詳細から科目を自動で判別してくれます。
私の場合、ネット上のデータをクラウド会計で取り込んでから従来型のソフトへデータを移行しています。
普段は、クラウド会計で仕訳を確定させるためのクリックを最小限するだけ。
月初に前月のデータを従来型のソフトへ移し替え、そこで数字をチェックします。
さらに、Excelでキャッシュフロー表を作成すれば完璧です。
ドンブリ経営だとお金が貯まらない
右肩上がりの経営であれば、経理に力を入れなくても勝手にお金が貯まっていくでしょう。
ただ、そういった時期がずっと続くわけではありません。
自身の経営数字をしっかり把握するためにも、経理は自分でやった方が身に付きます。
ドンブリ経営だとお金が貯まらないですしね。
<編集後記>
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