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可愛い子には旅をさせよ。100回のしつけより、1回の留学<No 101>

yujiro

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日本人留学生は減っている

アメリカでの日本人留学生の数は、年々減少傾向にあります。

リーマンショックや震災が影響しているのかと言えばそうとも言えません。

平成28年3月の文部科学省集計によると、日本人留学生の数は、
2004年の82,945人を最高に減少しています

ので、現在の減少傾向は、2008のリーマンショック、2011年の東日本大震災以前からです。

留学の機会が減った理由は、世帯の可処分所得が減りつつあることも一因でしょうが、
私は、別の理由だと感じています。

それは、「どこにお金をかけるのか」という親の考え方が変わってしまったのだと思います。

昭和一桁や、10年代生まれの親たちは、戦後物資のない時代を生きました。

そして、自身が成人し社会に出たときに、「大卒なのか、そうでないのか」の違いを
身に染みて感じていました。

そんなことから、「我が子には、そんな思いはさせまい」と自分達のことをなげうってまで、
子供の教育費にお金を費やしてくれました。

しかし、最近では、親も親自身の生活を楽しむスタイルに変わりつつあります。

いいか、悪いかは別として、日本人留学生が減りつつあることは、
今後、国際競争力が減少し、海外との交渉が出来る強い人材が不足することが懸念されます。

 

 

 言葉のニュアンスを理解してくれるのは日本人だけ

親元から離れて、子供から大人へ

私は、今から22年前の1994年に、約1年間のアメリカ留学を経験しました。

当時の私は、大学4年の21歳で、大学を一年間休学して、留学することになりました。

ですので、就職活動を、帰国後に、同級生とは一年遅れで行う予定でした。

私が住んだ町は、アメリカ西海岸のサンディエゴという都市でした。

温暖な気候と、メキシコとの国境線近くということもあり、陽気な人々が多く、
暮らしやすい町でした。

私は、日本の大学内での審査を受けなかったので、
アイオワ州の提携姉妹校に進むことは出来ませんでした。

そこで、サンディエゴにある語学学校に行くことに決めました。

この語学学校には、姉妹校に進む留学生たちが、大学に入る予備段階として入学します。

この学校での、日本人留学生の割合は3割程度。

5割程がヨーロッパから、おおむねバカンスで来ているスイス人でした。

当時は、日本の「円」同様に、スイス「フラン」もドルに対して高かったからでしょう。

スイス人が、真剣に英語を学ぶというより、バカンス気分なことは、
英語を「話せない、聞き取れない」留学当初の私には、ちょうど良い学習環境でした。

語学学校内での世界の留学生たちの学力は、ピンキリです。

当初は居心地のよかった語学学校も、3か月もすると、自分より話せる外国人が減少し、
物足りなくなります。

その後、同じ日本の大学から来た留学生は、アイオワの姉妹校へ旅立ちます。

ですが、私はアイオワへ進むことが出来ません。

 

せっかく、休学してまで来たのに、語学学校だけで帰ることは許されません。

そこで、現地の大学に入学するために、TOEFL(英語を第二言語として話す人にとってのテスト)を受けることにしました。

TOEFLテストの当日、バス停で待っていた私を、黒人のドライバーは、
明らかに故意にスルーしました。

必死にバスを追いかけ、バックミラーにうつっているはずの私には目もくれず、
バスは過ぎ去りました。

幸い、テストにはぎりぎり間に合い、
大学入学のための点数も無事クリアーすることができました。

 

基本、アメリカでは外国人扱いしてくれない

日本で日本人が外国人を見ると、どちらかというと、日本人の方が恐縮し、
へりくだってしまいます。

そして、皆さん英語を話せないことに悲観的になります。

では、アメリカで日本人に対して、日本語を話して優しく接してくれるかといえば、
それは皆無です。

100%あり得ません。

あり得るとすれば、何かを狙って寄ってくる輩(やから)です。

アメリカで、英語を話せなければ、それは、「ただの英語を話せない東洋人」という位置づけです。

そして、何より、現地のアメリカ人は、
日本にいるアメリカ人が話すようなスピードでは誰も話してくれません。

日本にいるアメリカ人は、日本人に通じる英語を超スローテンポで話してくれているのです。

しかも、現地のアメリカ人はスラング(俗語)なまりが激しく、
日本の英和辞典に載っていない汚い言葉のオンパレードです。

そんな私も1年後の帰国する頃には、「hey、yo、what’s up」と見知らぬ黒人相手に声をかけていましたが・・・

大変な思いもたくさんしました。

  • 渡米当初、英語しか話さない日本人グループにいじめられる
  • 近所で銃声がよく聞こえた
  • スイス人にキレられる
  • パスポートを忘れてメキシコに取り残される
  • バス停でスルーされる
  • 食事を作らないホストマザーとケンカする
  • スペイン語の授業で英語が通じない
  • メキシコのナイトクラブで深夜、ストリートチルドレンに絡まれ、パスポートを取られそうになる
  • TOEFLを受験すると言ったら、クラス中で失笑される
  • 日焼けし過ぎてメキシコ人に間違えられる
  • パーマをあてたらパンチパーマになった

今となっては、笑えます。

 

 

わが子にも伝えたい、そして経験させたい

日本を出るまでは、自分の意見をしっかり相手に伝えることが出来ませんでした。

自分では伝えているつもりでも、つめが甘く、誤解されることもよくありました。

留学を経験したおかげで、そのようなことも少なくなりました。

英語は日本語に比べて、発音がきつく、また、敬語がありません。

ですので、誰にでも物おじせずに話せるようにもなりました。

そして何より、日本の常識が、世界では常識でないことに気付きました。

こんな経験をさせてもらった両親には感謝しています。

親子は、近くにいると、その存在を「当たり前のことと」感じます。

距離を置くことによって、その存在の「ありがたさ」を身をもって知ることになります。

 

「可愛い子には旅をさせよ」

いい言葉です。


<編集後記>
早朝、5時からブログ前半執筆。
一日勤務。
帰宅後、ラン6キロ。
風呂&食事後、ブログ後半執筆。

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