可愛い子には旅をさせよ。100回のしつけより、1回の「カンボジア」<No 109>
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ポケモンGOに思うこと
世間で、はやるポケモンGO。
やれば楽しいのでしょうが、やりません。
テレビで見る群衆を見て、「みんな、仕事もプライベートも充実しているのだろうなあ」
と思いつつ、実際どうなのかはご本人にしかわかりません。
私もファミコンで育った昭和世代ですので、一通りのゲームを体験しました。
大人になってからも、「ドラクエ」や「バイオハザード」もやりました。
ゲーム自体を否定するつもりもありません。
あのころの自分が充実いていたかというと、特別に充実していたわけでもありません。
「余暇の時間を自由に過ごしていた」。
それだけであり、ポケモンGOをやっている方々もそうなのだと思います。
ただ、若いころと今の自分とでは、時間に対する感覚は同じではありません。
人生の折り返し地点を通り過ぎ、
「時間を消費すること」に対して何らかの「価値」を求めてしまうのです。
将来の自分の骨格となる体験をもっとやればいいのになぁと。
キツい旅は若いうちにした方がいい
今から20年前に、東南アジア4か国を1か月かけてバックパックで旅しました。
なかでも、印象的だった国は、カンボジアです。
今では、日本のイオンが進出するなど、
中国を筆頭に安い人件費を求めて、たくさんの外国資本が入っています。
しかし、当時は本当に先進的なものは何もありませんでした。
戦後の闇市のようだったプノンペン
首都プノンペンの空港に降り立つと、旅行者を待ち構えた現地の「背の低いコーディネーター」の一団に取り囲まれます。
本来、旅行者以外、外部の人間が入ることができないエリアであるのですが、
そんなことはお構いなしです。
両替商で現地通貨のリアルに両替すると、
ほんの数千円程度が大量の札束になることからも、日本との経済格差がわかりました。
空港から市街地までの一本道が、
当時カンボジアで見た唯一のアスファルト舗装された道路でした。
カンボジア国内での予定は、首都プノンペンに一泊し、
その後、「アンコール遺跡」のあるシェムリアップでの一週間の滞在でした。
旅行者のほとんどは、アンコール遺跡を目指すため、
プノンペンでは旅行者らしい人は見かけませんでした。
そして、町を歩けば、「金のなる木」が来たとばかりに、人が寄って来ます。
「I know woman’s place」・・・(もちろん、ついて行きませんでした)
食堂に入れば、フランス統治時代のなごりから、フランスパンがありました。
町全体の色合いが暗く、砂ぼこりで土の匂いがしていた印象です。
圧巻のアンコールワット
翌日、アンコール遺跡のあるシェムリアプへは飛行機で移動しました。
陸路は、クメール・ルージュ(ポルポト派)の残党がいるので、危険とのことでした。
アンコール遺跡には無数の寺院(遺跡)が点在するため、
運転手を雇い、毎日遺跡巡りをすることになりました。
連日、40℃の猛暑のなか、首からタオルをぶら下げて、
歩きまわっていると、物売りの幼児がついてきます。
彼らの収入が、家族の家計を担っているのでしょう。
基本、私は何も買いませんでしたが、幼児の中には数時間ついてくるツワモノもいます。
夕食は毎日、宿近くの中華を食べに行きました。(華僑はどこにでもいます)
日本にいたら出来ないことをしようと思い、カエルも食べました。
味は、身が引き締まった鶏肉のようで絶品でした。
中華料理と共に日中の疲れをとってくれたのが、現地のアンコールビールでした。
何を注文してもハズレのない料理に感動したので、
最後の日にチップを渡そうと厨房を覗いたら、
ちっちゃいお爺さんが一人で自分の背の高さ以上の火柱を立てて、料理を炒めていました。
華僑の力強さを見せつけられました。
アンコール遺跡は当時も世界中からの観光客で賑わっていました。
遺跡の修復作業の現場に、「japanese goverment」と記載されたプレートがあり、
日本のODAはすごいなぁと思いました。
アンコール遺跡は、「アンコールワット」が有名ですが、これ以外にも、
バイオン寺院や樹木に絡まった状態で発見された「タプロープ」寺院など見どころはたくさんあります。
なかでも、「東洋のモナリザ」と言われる「バンテアイ・スレイ遺跡」へ行くのは危険なため、
自動小銃を持った警察官を一日1万円で雇うことになりました。
ビジネスの匂いもしましたが、身の安全には変えられません。
バンテアイ・スレイ遺跡につくと、遺跡の周辺一帯は地雷が埋まった危険地域であり、
国連の特殊車両が、地雷の撤去作業をしていました。
寺院の敷地内を散策していると時折、地雷が爆発し地響きがおこりました。
敷地内は雑草が生い茂り、敷居のフェンス、アスファルト舗装は勿論、石畳も何もなく、
むき出しになった土の上を歩くために、どこを歩けば安全なのかもわからず冷や汗をかきました。
空港に降り立って以来、片足のない松葉づえ姿の人を何人も見ていたので、
本気でこわかったです。
そのせいもあり、カンボジアに滞在中は頻繁に足が地雷でふっとぶ夢をみました。
ポルポト時代に100万人もの知識人が虐殺されたとする現場「キリングフィールド」では、
建物いっぱいに犠牲となったかたの頭蓋骨が展示されていました。
日本ではありえない光景です。
日本に降り立つときは、「切り替え」が大事
そんな当時の私も、無事に日本の地を踏むことができました。
一カ月の旅で日焼けした顔は、口ひげをはやし、Tシャツに短バン。
小さなリュック一つに、足はサンダル履きでした。
シンガポールから台湾経由で、たくさんの日本人と到着したにもかかわらず、
私だけ別に呼び止められて、手荷物検査の上、ポケットの中まで検査されました。
海外であればどってことはありませんでしたが、
さすがに地元の関空でそれをやられると恥ずかしかったです。
可愛い子には旅をさせよ。
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