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税理士業

小説家に学ぶ、税理士の仕事術。点と点を線でつなぐには物事を俯瞰で見る<No 917>

yujiro

希望の糸

 

 

Contents

税理士と小説家

これまで読書といえば、ほぼビジネス書でしたが、数十年ぶりに小説を読みました。

母親に頼まれ購入した本を、読後メルカリで売る前に数ページ読み進めたところ
止まらなくなりました。

小説は状況描写、情報収集力が見事なのは当然のこととして、
今回は、物語の展開に惹き付けられました。

同時に進行する物語が3つ。

1つめ、2つめと読み進めた後、3つめの物語が始まったとき、
「どう収集されるのか」というワクワク感よりも、
3つの物語を線で繋られる著者の自信の現れに驚きました。

「これが繋がるんだ」と。

読み手にとっては、点と点が線で繋がるところに面白みを感じるのですが、
書き手からすれば、
全体を俯瞰で見る必要があるので大変な作業です。

物語の辻褄が自然に合うように書いていく。

途中で話を無理に近づけてしまうと、読み手にとっては違和感が残ります。

これを自分の仕事に置き換えてみると、税理士も同じだなあと。

 

 

点と点を線でつなぐには物事を俯瞰で見る

医者のように専門分野が固定されていない税理士の仕事は、
いくつもの税目を横断的に見る機会があります。

個人の確定申告をとっても、所得税だけでなく、売上が1,000万を超えれば消費税が絡みますし、
財産がある人であれば贈与税や相続税も絡んできます。

法人になると、法人税もプラスして絡んでくるのでますます注意が必要になります。

これらの税金は、隣同士で関わり合うけれども、全く異なる解釈をすることもあります。

例えば、人件費。

所得税や法人税であれば、給料を支払っても、外部の人に外注費として払っても、
売上を得るために必要な支出であればすべて経費になります。

しかし、消費税では、外注費は消費税の対象になっても、
給料には消費税が含まれていないので、計算上差し引くことはできません。

「消費税の計算上有利になるから」という判断だけで勝手に外注費にして良いものではなく、
外注先が、

  • 請求書を発行しているか
  • 現場ごとに売上管理しているか
  • 申告はしているか
  • 独立した立場であるか

などの要件を満たす必要があります。

また、地主が法人名義の建物を建て、第三者に貸し出したらどの税目が当てはまるのか?

法人が第三者から得る建物に係る不動産収入には法人税がかかります。
(借地権の認定課税は省略)

年間1,000万円を超えたら2年後から消費税もかかります。
(翌年からかかるケースもあり)

地主が法人の代表者で役員報酬をとれば、所得税がかかりますし、
法人から得る地代の収入も所得税の対象になります。

さらに、地主と法人との間で地代の収受がなければ、
財産評価の計算上、自用地(更地)として評価されるといった相続税にも影響があります。

税理士にとって、こういったことは当たり前であっても、
一般の方にとってはそうではありません。

全体を俯瞰で捉えて見ることができるかどうか。

目先の所得税を払いたくないから地代の収受をしなかったり、
会社から引き出すお金を役員報酬として申告していなかったりすると、
小説で言えば、あとあと物語の辻褄が合わなくなってきます。

小説の場合、どれだけ話を引っ張っても、あとあと辻褄が合えば読み手にとってはそれで良く。

しかし、仕事であれば、そういうわけにはいきません。

そのために、どれだけ早いタイミングでクライアントに現状を伝えて、
互いの齟齬をなくしていくか。

会話だけで済ませるのではなく、紙に書いたり、グラフや図を使ったり、
ときには、ホワイトボードに大きく書いてみたり、Power Pointを使ってみるのも良いでしょう。

 

 

小説家に学ぶ

小説では、ビジネス書では味わえない心の描写を知ることができます。

それがたとえ作られたものであっても、小説家という自分以外の人間から出てきた発想に変わりありません。

ひとり仕事の自分にとっては、「こういう考え方するんだ」ということを知れただけでも
読んだ甲斐があります。

 

<編集後記>
4時25分起床後ルーティン
午前中、事務所にてお客様の月次税務、フログ執筆
午後から、事務所にて記帳指導、ブログ仕上げ

風邪が治らないので、近所の病院へ行ってきます。


<ラン&バイク>
今日もおやすみ。早く乗りたい(泣)

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