税理士の効率化で現場を手放すジレンマの対処法<No 1075>
<セミナー・コンサルティング情報>
)エスプレッソ・アフォガード・フラペチーノ
Contents
現場を手放すか、否か
独立して仕事が増えてくると、昼夜かまわず動いてしまいがちです。
私も独立前の準備期間、自宅でできることを夜や週末に手を付けていました。
誰からも束縛を受けないのに、勤務時代よりも動いてしまう。
というのも自分が動かなければ、お金が入ってこないからです。
独立当初でお金がなければ仕方がありませんが、ある程度お金があるにも関わらずこういった状態がずっと続いていると、体も心も疲れてしまいます。
人生100年時代、言葉の通り100歳まで働かないにしても、80まで働くと仮定したら、
私であればあと33年あります。
この先、33年働くには、健康な体が必要です。
昼夜週末も働き続けると、健康年齢の維持は難しいかもしれません。
幸い、一冊の本が私を正気に戻してくれました。
ひとり税理士の仕事術―雇われない・雇わない働き方 仕事も人生も楽しむ税理士
この本がなかったら、今頃、入力作業で時間を失うことになっていたでしょう。
ハーフも走ってなかったでしょうし。
ランナー膝でもハーフマラソン完走。原因をおさえて予防する<No 880>
トライアスロンなんて一生触れることはなかったはず。
トライアスロン初心者のための、バイクの選び方<No 914>
本を出すことも
「財表一科目」で結婚した私に「税理士本」を出版する日がくるまで。「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」<No 513>
健康年齢を維持しようと思ったら、自分じゃなくてもできる仕事は自分以外の誰かに振る。
ただ、振った先で全部対応してくれるといいですが、
自分が内容を知っておかないとトラブルの原因にもなります。
ある程度の業務量になった時、現場を手放すのか、それとも現場に居続けるのかというのは悩ましい問題です。
効率化で現場を手放すジレンマの対処法
入力をなくす
近い将来、税理士の仕事はAIでなくなると言われています。
その代表が、「入力作業」とも言われています。
実際、入力は税理士でなくてもできる仕事です。
この仕事、やって喜ばれるというよりも、自分の手元からなくって時間が増える。
お客様にとってプラスになる仕事でなく、マイナスが無くなる仕事。
いわば「谷」を埋めるようなものです。
そのため、誰が受けてもそれほど変わるものではありません。
他との差がつかないので、入力の仕事を通じてのアピールはしづらいものです。
そうしたことから、入力の仕事をがっつり請け負うことはありません。
とはいえ、お客様が入力すると、お客様の負担になるので、ボトルネックが解決されたとは言えません。
となるとどうするか?
ITやAIのチカラを借りることで、作業を根本からなくしていきます。
ネットからデータをとる
AIに奪われると言われるのなら、先にその仕事をなくしてしまって別の仕事を見つけます。
AIが得意なことは、データの整理や集計です。
税理士自身がAIを使って入力をなくします。
AIを活用するにはデータがあることが前提条件になります。
データがオンライン上にあると更に効果は高まります。
オンライン上に取引データがあれば、会計データに変換して取り込むことができます。
代表格が、次の2つです。
- ネットバンク
- クレジットカード
この2つのデータがネット上にあれば、取引データの多くを会計データに置き換えることができます。
会計データに置き換えることができれば、入力しなくて済むわけです。
では、ネット上のデータをどうやって取り込むのか。
取り込む方法はいくつかあります。
- クラウド会計を使う
- CSVファイルでダウンロード
ネット上のデータを会計データに変換するには、クラウド会計が必要だと思われがちですが、
クラウド会計がなくても取り込めます。
ネットバンクで取引画面を表示させると、「明細をダウンロード」といった表示がされるので、
これをクリックします。
)三菱UFJ
期間を指定してから、「ダウンロード」をクリックすれば、CSV(EXCEL形式)ファイルを入手できます。
従来型の会計ソフトの多くには、このCSVファイルを取り込む機能が備わっています。
この機能を使えば、クラウド会計を契約しなくても、従来型のソフトでネットデータを会計データに変換できるのです。
会計ソフトを変更したくない方は一定数いらっしゃるので、そういう場合はこのやり方を使います。
クラウド会計は、あくまでもネットにデータがある場合に有効活用できるソフトです。
ネットにデータがないと、ほぼ役に立ちません。
というのも、従来型の会計ソフトのように入力に向いていないからです。
クラウド会計はネット上のデータを取り込むのは得意ですが、入力速度は非常に遅いです。
効率的な使い方は、ネット上のデータをクラウド会計で取り込み、
その後、従来型の会計ソフトにデータを移し修正を行うやり方です。
ただ、これもあくまで作業なので属人性が高いとは言えません。
それこそ、税理士の資格がなくてもできる仕事です。
データを扱えるのは強みですが、他と差別化をはかるには「山」見つけます。
「山」を見つける
「入力をなくす」「データを扱える」のは効率化にはなりますが、
従来あったコミュニケーションの機会が減ります。
効率化でお客様との接点が減ると、究極的には
あなたでなくてもいい
といったことになり得ます。
自分を選んでもらうために、自分なりの「山」を見つけたいところです。
昨日の記事にも書きましたが、この「山」を見つけるというのが税理士としては難しいのかなと。
(自分も含めて)
というのも、先に挙げたアナログからデジタルに移行するのは最低限のことで、
やっと土台に立てたというところでしょうか。
そこから何ができるのか?
「80対20の法則(パレートの法則)」というのがあります。
- 効果の80%は、全体の20%によって生み出されている
- 上位2割のお客様が、売上の80%を占める
- 上位2割の商品が、売上の80%を占める
といったものです。
自分に当てはめてみると、1日のタスクのうち2割以下(実際はもっと低い)のタスクが、
売上の8割を占めています。
また、2割のお客様が、売上の上位を占めています。
(これはこれでリスクありですが)
この2割を突き詰めていくと、自分の「山」となる強みが見えてきます。
2割に共通するのは、作業よりもコミュニケーションが多いこと
そこに至るまでの工程は、ここに挙げた
- 入力をなくす
- ネットからデータをとる
- 「山」を見つける
の順番で行っています。
自分が効率化し、データを取り入れてお客様も効率化する。
ここで終わると現場を失ってしまうのですが、コミュニケーションという山を見つけたことで、
現場を失うことなくやれています。
話す時間が増え、内容に厚みが出るとその人の生き方まで踏み込むこともあります。
とはいえ、踏み込むといっても、あくまでも二人で積み上げていくこと。
コミュニケーションが増えていく過程で、結びつきはより強固なものとなっていきます。
<編集後記>
昨日の火曜日
5時20分起床後ルーティン
午前中、相続税の財産評価、小規模宅地等の判定、建築計画概要書を市役所へ請求、
信用金庫から法人顧問のご紹介。
午後、バイク10キロのあとブログ執筆。
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